高所作業やクレーン車の最新ニュース

  • 掲載記事数: 70205件

戸田建設は独自の耐震対策ガイドラインで減災提案 ~生産施設に対する耐震対策~

 戸田建設株式会社は、既存の生産施設の事業継続計画(BCP)の観点から、大地震発生時の非構造部材(天井・間仕切壁等)や設備機器・配管等への被害を軽減して、生産ラインへの損傷を最小限に抑えるために、独自の耐震対策ガイドラインを作成し減災対策を積極的に提案していくと、8月31日発表した。

既存の生産工場における地震対策提案PJの立ち上げ

 東北地方太平洋沖地震の発生後、実際に被災した建物の状況を確認すると、体育館等の各種公共施設をはじめとし、量販店、生産施設などいずれも空間を大きく取った鉄骨造建物において、主要構造体の損傷被害はそれほど大きくなかったものの、非構造部材や設備機器・配管等の破損・落下等の被害が多く発生していた。その結果、東北地方の生産施設における事業の継続が不可能となり、社会・経済活動に甚大な被害をもたらした。

 同社は、被害の大きかった生産施設に対してBCPの観点から地震対策を積極的に提案していくために「既存の生産工場における地震対策提案PJ」を早期に立ち上げ、被災状況を分析した結果を基に、非構造部材や設備機器・配管等に対しての耐震補強方法などを中心にとりまとめた。提案に当たっての方針を「工場で働く人々の生命を守る」、「生産ラインの損傷を最小限に抑える」として、現実に即した提案内容でのまとめを心がけた。

 建物の揺れは基礎や建物構造の特性、階数によって異なり、中低層の鉄骨造建物では、上層階ほど大きな揺れを生じていることから、地震記録をもとにした建物の揺れのシミュレーション解析結果と、実際の被災状況の分析結果から以下のような知見を得ることができた。

1.大面積の屋根・天井や内・外壁に対しての構成面と直角方向への揺れに対して、現状の納まりでは大地震に対しての対策が不十分であること。
2.天井面に取り付いた設備機器に対しての簡易なブレース補強は、天井面の複雑な揺れに対して追随できていないこと。
3.天井吊りを採用する重量のある設備機器などの場合は、建物の揺れに対して共振することが予想され、振れ止めなどの簡易な補強対策では十分でないこと。

 同社では、これらの知見や現在予定している振動台実験による検証実験の結果を盛り込んだ「非構造部材および設備機器等に関する耐震対策ガイドライン」を基に、新規物件、既存物件への減災対策を積極的に提案していく。

関連リンク

戸田建設株式会社
http://www.toda.co.jp/index.html

この記事をソーシャルブックマークやミニブログへ登録・共有する

Twitterでも配信中です。